千島学説と気

~~~「気血動の調和」ガン細胞へのメッセージ

稲田陽子

ストレス社会と言われて久しい現代では、ガンは、
二人に一人という過酷な割合で罹患されている。
誰も、なりたくてガンになっているわけではないが、
ガン患者の数は減らないようだ。社会脳を発達させてきた
人類だからこそ、良い意味でも悪い意味でも社会という
環境の影響は少なくないものと言える。

もちろんガンの要因は人により異なり、環境や老化の
影響を含め、さまざまな理由や原因があって、人々は
ガンに罹患してしまう。千島学説を提唱した千島喜久男博士は、
ガンの背景に「気血動の乱れ」があることを念頭に
置きながら、ガン罹患と治癒への道について解説
している。

どんな原因でガンになろうとも、千島博士は、気血の
乱れに注目し、その調和を図ることこそ、その運命的な
病から解放されるのだと考えた。気について言えば、
東洋的なものを連想してしまうが、千島は、実は、もっと
広い意味でその言葉を使い、現代の最新の科学とも響き合う
概念で捉えていた。

つまり、「気は、宇宙に偏在する物質や生命の
根源的要素で、これを私は超エネルギーと呼ぶ。
(略)私は、物質とエネルギーを発生論、進化論的に
考察し、超エネルギーの凝集→エネルギー→素粒子→
原子→分子と考える」(『血液と健康の知恵』千島喜久男著)

ここにある気の概念は、いわゆる量子論的なものを想起させ、
とりわけ、ゼロ・ポイント・フィールドの存在が浮上する。
アーヴィン・ラズローは、このフィールドを量子論的に
すべての存在の源であり、互いに響き合う一つの「情報場」
であると想定した。

こうした想定のもとに考えると、千島の理論はより親しみ
やすくなるのではないだろうか。気というのは、宇宙に
充満する「超エネルギー」であるというのも、「量子真空」
の概念で捉えられる。その気が、存在の大元で、互いに
影響し合うものとなれば、私たちの体の中でその乱れは、
体自体の健康に影響を与えることになる。

千島は、その気の背景に血(けつ)があり、気の乱れは
そのまま「血の乱れ」となると言い、それが健康への
悪影響ともなる。これを千島は「心身一如の弁証法」
という概念で説明する。

これは、一口で言えば、心身は有機的に繋がりがある
という意味であり、例えばストレスなどは健康を損なう要因
にもなりうる。こうした発想から、ガンも例外ではなく、
気の影響下にあることから、「血液病」や「全身病」
という捉え方をしているのもうなずける話である。

これに加わるのが「動」で、体自体を動かさなければ、
運動不足の弊害が現れるだけでなく、全身に気もスムーズに
流れなくなる。そのため、健康な心身を作るのに大切な
要素になる。

この気血動の調和があれば、ガンになりやすい体質を
改善でき、さらには、ガンの治癒へのマップになる
可能性さえ出てくることがある。エネルギーの流れで
ある気が滞ることなく、食養生で免疫力のある血液を
作り、適度な運動を心がけると、いつの間にか腸という
『場』の健康が保証されていく。

千島学説が示すように、健康な赤血球が作られること
により、健康な細胞を生じさせながら、なりそこないの
赤血球であるガン細胞が血液に戻っていくのだという。
この「ガン細胞が赤血球に戻った」という千島の観察は、
他の研究者にも実証されている。もっとも、先のブログ
でも書いているように、その時にはすでに千島の名前は
歴史の影に隠れてしまったかのようにひっそりとしていた。

さて、その話はさておいて、『ガン呪縛を解く~千島学説
パワー』の中で、稲田は、気の説明でコヒーレントな光との
結びつきを強調している。千島が、気を「宇宙に偏在する
物質や生命の根源的要素」という解釈をしたことから、
千島の考えに寄り添い、量子論とともにさらに精神性の
究極まで言及したものである。実際、スピリチュアルな
世界は未知の領域である。だからこそ、慎重でなければ
ならないが、時に豊かな閃きのように人を支えることもある。
その時に不思議な治癒へ導かれていくことも、現実には
起こりうるようだ。

これは、存在の底からの感動が沸き起こることから始まる。
そして、それまでの価値観を一変させてしまう。もしも、
コヒーレントな気の世界の働きで、治癒への道が始まるなら、
そんな素晴らしいことはないに違いない。
(ref/『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』稲田芳弘著』)
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