〜〜〜社会的補償は…?罹患してわかったこと。
稲田陽子 感染症分類法で2類相当となっている新型コロナであるが、 最近ようやくというのか、季節性インフルエンザと捉えた5類への 変更が議論されるようになった。これは、経済活動なども考慮され、 また重症化率が下がってきているという判断もあり、妥当な議論 と言えるかもしれない。 しかも、感染率が高くとも、罹患期間が短縮され、発症しても症状が 顕在化しない人も多いという。こうしたオミクロン株に、私も昨年11月 末に不覚にも感染してしまったのは、本当に残念なことだった。 というのも、実際に体験してみると、思っていたものとは全然違う。 確かに3-4日で特有の喉の症状が消えてしまうが、その後も倦怠感や 微熱(時にはそれ以下)、咳などが続き、治った実感がなかなか得られ なかった。 そのため、札幌市の紹介を受けて、コロナ外来を開設しているクリニックを 受診し、コロナ後遺症というありがたくない診断をもらうことになった。 もともと、コロナ外来はそれほど多くないので病院にも迅速にはかかれず、 陽性反応も、薬局から抗体検査キッド(札幌市より無料)を送ってもらって、 自分で検査したものだ。 罹患と後遺症の間中、私は、漢方薬の先生(漢方薬店)にきめ細かく処方 されたものをひたすら飲んで、何とか行けそうな日にレントゲンや血液検査 などを受けていた(ありがたいことに問題がなかった!)。ここにあるのは、 すべて「自己調達」の世界であり、仕事や日常生活にも大きく影響すること になった。出口が見つからないような閉塞感が出てきても不思議ではない ことだろう。 5類への変更は、病院をより早く受診ができるのであれば、患者には大きな メリットがあるのは言うまでもない。安心感も大きくなるに違いない。 ただ、後遺症は、最近増えていることもあり、病気の延長として社会的な 補償制度が必要だと、つくづく考えさせられた。もちろん、業務に関わる 感染の場合は補償が認められるというが、感染力が強い場合は、その経路が 不明であり、証明が難しくなるに違いない。後遺症は、普通1-2ヶ月以上は 続くとも言われている。 ちなみに、オミクロン株に葛根湯がいいと言う話をよく耳にするが、 漢方薬はコロナと相性がいいのかもしれない。ただ高額なのが難点 であるだけに、保険が効くようなシステムは大歓迎されるのではない だろうか。