~~~~「空気呪縛」か「事実」か。IPS細胞に続くために
稲田陽子
ネット上では、世紀の大発見とされた「STAP細胞」の捏造説まで
飛び出しているが、これまで小保方氏を擁護してきた
山梨大学教授の若山教授が「確信が持てなくなった」として、
論文の取り下げを共著者らに呼び掛けたという。
これまで疑念のある画像が論文に流用されていたことなどが指摘
されたほか、再現性の低さなどが報告され、
世界の研究者からも疑問が出されていた。
理研は、こうした事態を受け、小保方論文を裏付けるために
作業手順書を別途公開し、理解を求めたばかりだった。
次々と論文の不備が発覚した上、若山教授の発言で、論文の
取り下げが一気に加速しそうだ。
若山教授は、論文では発見されていることになっていた
「特定遺伝子」が実は見つからなかったとした公開手順書の
記述を知り、「STAP細胞の存在そのものに確信が
持てなくなった」と記者会見でショックを隠せない様子で語った。
この公開手順書の記述の真偽について、小保方氏には
確認を取っていないという。
一方、「論文を取り下げるが、第三者の有識者に追試を依頼し
再度完璧な論文を作成したい」というのが
若山教授の真意であるが、記者会見を放送した
マスコミはそこまでなぜか伝えなかった。
こうなれば、STAP細胞の研究成果は事実として
ゆるぎないと理研や共著書の米ハーバード大バカンティ
教授がいくら強調しても、
「論文の捏造」は、すでにマスコミの好奇心の格好の
えじきとなってしまった感がある。
沈黙を守る小保方氏だが、3月6日に、「論文発表後
初めてSTAP細胞の作成に成功」というニュースを
某新聞一社が報道した。これは、ほとんどマスコミに取り
上げられなかった。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140306/wlf14030610070007-n1.htm
「論文捏造」ニュースが一人歩きを始めているからだ。
マスコミの誘導は避けられないにしても、
問題は、受け手である私たちの意識にもある。
その空気支配ゆえに、事実にフタだけはしたくないものである。
論文は、倫理的な問題が満載であるのは
言うまでもない。しかし、それゆえに
すべてがウソであるという印象が与えられかねない。
マスコミは、いまそうした情報操作をやろうとしている
懸念がある。
研究がまだ途上にあるのであれば、論文著者らは、
正直にそう言えばいいだけだ。
「STAP細胞作成の研究成果という事実はゆるぎない」
という小保方氏を含む理研、バカンティ教授側の見解が真実であるなら、
「空気呪縛」の前に
それがどこかに飛んでしまわないように切に願う。
STAP細胞 「信じてやってきたので悲しい」
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140310/wlf14031023380019-n1.htm
STAP細胞論文「撤回する理由ない」 共著者の米教授
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140311/scn14031110320001-n1.htm
STAP細胞の初期化はあったか?
http://openblog.meblog.biz/article/21474166.html
造血幹細胞はSTAP細胞か
http://openblog.meblog.biz/article/21467961.html
STAP細胞の Oct4 発光を確認
http://openblog.meblog.biz/article/21485020.html
STAP細胞からキメラマウスを作る方法
http://openblog.meblog.biz/article/21510039.html
Interview with Dr. Teru Wakayama on STAP stem cells(論文取り下げ前の若山教授への一問一答)
http://www.ipscell.com/2014/02/interview-with-dr-teru-wakayama-on-stap-stem-cells/