『ガン呪縛を解く』とは?

~~~再発を防ぐ知恵

稲田陽子

最近の研究では、ガンも難病も全身の炎症が原因ではないかと
いう発想が生まれている。これはもう千島喜久男博士が提唱した
千島学説の言わんとしたことに近い考え方だ。この学説では、
とくに、ガンは、赤血球の質が劣化して、出来損ないの細胞が
集まったものだと考えられている。正常な細胞が生き延びるために、
いわば、劣化した血液を浄化しようとする働きとも言える。
これにより、ガンという塊が成長して血液の汚れを取り去ろうと
試み、健康を取り戻すための安全装置になるわけである。

この塊は、自然にできたものだけに、その宿主の心身の状況が
変化すると、自然退縮してしまうこともある。よく言われるのは、
人間の体内では毎日ガンが生じているものの、免疫システムが
働いて、マクロファージなどがガン細胞を取り除いてくれる。
心身ともに休養を取ることで、自然治癒力が活性化し、コトなきを
得ることになる。ところが、この仕組みを妨害するほど、心身の
ストレスが上回ると、ガン細胞が成長してしまう。それでも、
これが自然退縮することもあるのは、人がもともと持っている自然
治癒力の賜物と言えそうだ。

千島学説では、ガン細胞が成長して塊となった状態を一種の慢性
炎症だとしている。つまり、この慢性のしこりを溶かしていくのが
ガンの治療ということであり、千島博士は、その塊を無理やり取る
ようなやり方ではなく、自然治癒力を高めるよう食養生を勧めた。
それは、細胞の成り立ちが赤血球の関与が深いことに由来している
ためで、血液の状態を改善する食こそが、ガンを溶かしていくと提唱
されるものだ。

ガンが溶けるというのは、ガン細胞が赤血球に戻っていくという
現象を指している。千島は、赤血球から出現し、増殖したガン細胞は
再び血液に戻るのだとその観察事実から結論づけている。この現象は、
ガンが直っていくプロセスと言える。この考え方の根底には、赤血球
が未熟な万能細胞であるとする説が含まれる。

こうしたガンは、現代人の関心の的だが、そのガン宣告をされたとき、
どう反応するかは、その人の「ガンの呪縛度」によるのかもしれない。
ガンをただただ怖いと思えば、ガンに罹患した原因を考えることもなく、
選択肢はひたすら現代医療に頼るだけになってしまわないだろうか。
もちろんそれも良い選択であることもあるに違いない。薬などの
副作用がほとんど現れない人もいることも事実あるらしいからだ。
とはいえ、その逆のパターンも珍しくないとも言われる。ひどい副作用で、
危険なほど重篤になる事例もあると聞く。さらには、再発をする場合
などは注意が必要だ。

だからこそ、本来の自然治癒力を引き出すホリスティックな治療も
念頭にあってこそ患者本位のやり方かもしれない。
「こうでなければならない」といったガン呪縛に陥っていれば、
もしも治るガンであってもますます頑なになってしまいそうだ。

とあれば、いつも柔軟な発想をサポートする心身にやさしい
「気血動の調和」が大切になる。

参考/『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』(稲田芳弘著)
   『隠された造血の秘密』(酒向猛著)
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