認知症とアロマセラピー

~~~嗅覚を刺激して、脳の活性化

稲田陽子

代替医療への関心が高まっているなか、アロマセラピーに
興味のあるという人も増えている。以前、認知症に罹患
する高齢者にパンの焼ける香ばしい匂いが元気を与えると、
ある高齢者施設での試みが講演などで報告されたことが
あるが、嗅覚の持つパワーは高齢になっても有意に働き
高齢者の健康維持に一役買うものと思われる。香ばしく
焼けるパンの匂いが心地よく脳を刺激して、感情や記憶を
引き出し、活力や喜びを与えているわけである。

最新の研究でも、嗅覚細胞を介してアロマの香りが脳に
届くと、海馬を刺激し、活性化させることがわかっている。
アルツハイマー病では、発症の20年、30年前から脳内に
ある種のタンパク質が蓄積し、海馬の機能の低下も始まる。
ここに嗅覚障害が加わるもので、これを抑制し、発症を
遅らせたり、発症させない可能性があるのが、このアロマを
使ったセラピーだと言える。

つまり、早期に対策を取れば、将来の発症を抑えられることも
あるという。嗅覚細胞は、死滅するが、再生も可能で、適切な
時期に適切なアロマを活用し、縮んだ海馬の機能に働き
かける。これにより、アルツハイマーの発症などが抑制される。
嗅覚障害が出てきた段階から、アロマを使い、アルツハイマー
などの認知症への対策を始めるのが勧められる。

数あるアロマの中でも、ローズマリーは、認知症への対策
として注目されている。含まれるポリフェノールが細胞死を
抑制する遺伝子の機能を高める。この発見で、パーキンソン
なども加えて脳の神経細胞死が起きる病気の予防、対策などが
話題となった。

実際の活用方法は、日中はローズマリーとレモン、夜は
ラベンダーとオレンジを組み合わせるなどして、香りを
嗅ぐだけである。もちろんデュフューザーを使用することも
可能だ。

認知症もパーキンソンも高齢者の病気であるだけに、その発症を
遅らせることは十分に必要なことである。それには、アロマを
用いた気血動の調和が想起され、いろいろなことに好奇心を
絶やさない暮らし方やストレスの軽減などが大切だ。

そんなアロマセラピーは、量子力学的に脳に直接影響を与え、
代替医療の需要の高まりとともに、さらに発展が期待される。
認知症の発症などは、早くから予防するに越したことはない。
試すに早すぎることはないのではないだろうか。

参考(一部分)/日本看護学会協議会共済会
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