~~~異常気象、農家の高齢化でお米の危機
~~~玄米は、千島学説的養生の象徴!
稲田陽子
お米を購入しようとネットスーパーに配達を申し込んだが、
在庫がなくなり、受付できない状態だという。これは、
ネットの世界だけでなく、全国各地の実際のスーパーなど
でも同様なことが起きている。もちろんすべてのスーパーが
そうだと言うわけではないので、これから買い占める人々が
多くなると、また問題が生じそうである。
昨年は、卵がスーパーからしばらく消えていたことがあった。
今回はまさかそんな状況が常態化しないことを望むものの、直接の
原因が異常気象だというのが気になるところだ。温暖化が
進むと、当然のように異常気象となり、作物の不作などを
招くからである。今年のような超猛暑という有り様は、新米の
不作にもつながりかねない。
食料自給率も、日本は先進国でも非常に低く、38%程度である。
200%近い自給率を誇っている先進国が珍しくない中で、この数字
である。農家では、高齢化が進んで、後継者が不足しており、
収穫量を増やすのも大変な労力を要する。もともと豊かだった
この稲作も政府の減反政策のために廃れたという事情が重なる。
そこに、戦後の食生活の欧米化が加わり、最近では食の多様化が
ますます進んでいる。
朝食を抜くという人もいるが、パン食で簡単に済ますのも
手軽に栄養が取れるので、この定番は重宝されているようだ。
しかし、ご飯離れは、意外なツケも払っている。パンの
原料である小麦粉には、認知症を誘発する成分が含まれている
ため、パンを食べるリスクも引き受けていることになる。
パンからご飯へ切り替えていくことが健康面からも切に
望まれるのは言うまでもない。
和食の象徴である米飯は、日本人のDNAに融和的であり、もっとも
健康に寄与する主食である。千島学説的に言えば、食べ物が
体を作るのであり、良い食は健全な体を培う。食物モネラが腸で
吸収されていくと、赤血球に変化し細胞へ変容していくわけである。
良い細胞は、良い食べ物からという図式が成り立つことになる。
つまりは、同じお米でも白米よりも玄米の方が好ましく、千島学説的
食養生からすれば、できるだけ柔らかく炊いた玄米をよく咀嚼して
食するのが勧められる。
こうした健康に欠かせないお米の収穫を増やすには、どうしたら
良いのだろうか。まずは、私たちがお米をよく食べることというのが
まず最初にくるシンプルな答えである。その上で、お米の自給率を
あげるのを第一にしながら、減反政策の見直しも考えに入れていく
のが時宜にかなっているのではないだろうか。厳しい環境の時代、
稲作にとっても例外ではないらしい。