千島学説研究会

~~~コロナ禍、代表の他界を超えて

稲田陽子

稲田芳弘が千島学説研究会と出会ったのは、
自身の『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』を
HPに連載し、その後出版に漕ぎ着けてからの
ことである。夫は、連載中からたくさんの反響を
いただき、その勢いに乗って、いろいろなところで
講演をするようにもなっていた。

螺旋のエネルギーといえば、千島喜久男博士の
千島学説にも特徴的に語られているものだが、
夫も、そんなエネルギーに包まれて仕上げたかのような
『ガン呪縛を解く』を通して、千島学説研究会からも
講演を依頼されたわけである。当時の代表は、かせ山
紀一さん。『蘇る千島学説』の著者でもある。
千島学説を後世に残すという壮大な夢を持ちながら、
研究会を立ち上げ、全国に会員を増やしていた。

そのかせ山さんからの講演依頼であった。稲田も
自らの信条の中に生きていたので、その依頼を快諾した。
螺旋のエネルギーは、何かを生み出すものなのだろう。
講演は、いつもたくさんの方々に来ていただけたと、
喜ばれたのは何よりである。それは、かせ山さんの
アイディアで作られていた「千島文学賞」なるものを
『がん呪縛を解く』に頂くことにつながる。

数年の交流の後、かせ山さんは持病が悪化し、惜しまれて
他界された。研究会は、ご主人に寄り添い支えてきた
奥様の房子さんが引き継がれるカタチとなったが、房子さんも
体調が思わしくなくなり、折しもコロナ禍に見舞われて
いくご時世の中、研究会の運営にも厳しいものが出てきて
いたようであった。

房子さんは、よく勉強されていて、環境問題にもシャープ
な意見を言われていたのが思い起こされる。私も、時折、
お電話をすることがあり、その度に話が弾み、あっという
間に長電話となってしまうことも珍しくなかった。
そんな房子さんも、体調を崩されていると言うので、
メールを出してもお返事もすぐにというわけにはいかない。
とは言うものの、必ず遅くなっても返信をいただけていた。

ところが、昨年の夏は、なかなか返事がこない。やはり
体調が良くないのだろうかと、懸念していた。そのまま
ついに返事がなかった。一年経った今年の7月、会の運営を
代行されている娘さんご夫婦から久しぶりの「千島学説
メール」が郵送されてきた。そこには、いきなり5月に
房子さんが他界されたと書かれている。
「このような残念なお知らせをして申し訳ありません」と
書き添えられていた。私は、不意のご訃報に驚き、なんとも
信じられない気持ちでいっぱいであった。

目に浮かぶのは、昭和気質?のご主人の生き方をサポート
するお元気で気配り上手だった房子さんの姿ばかりである。

未来を内包している未完の千島学説…
その可能性に気づく人々をこれからも魅了していく
に違いない。

かせ山房子様のご冥福を心からお祈りしたい。
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