1999年09月:だれもがきっとなにかができる
「少年犯罪凶悪化続く」の見出しのもと、今年一~六月の半年間に、殺人や強盗などの凶悪犯で逮捕・補導された少年が相変わらず増え続けているという新聞報道があった。こうしたニュースに出会うとどうしても気分が滅入る。犯罪の増加もさながら、そこに少年たちの鬱屈した精神環境が見えてきてしまうからである。 話は飛んで、あの阪神大震...
「少年犯罪凶悪化続く」の見出しのもと、今年一~六月の半年間に、殺人や強盗などの凶悪犯で逮捕・補導された少年が相変わらず増え続けているという新聞報道があった。こうしたニュースに出会うとどうしても気分が滅入る。犯罪の増加もさながら、そこに少年たちの鬱屈した精神環境が見えてきてしまうからである。 話は飛んで、あの阪神大震...
世紀末の日本に「サッチー・ミッチー騒動」が沸き立っている。 人の噂も四九日どころか、すでに四カ月目に突入した。ヒマと言えばヒマだし、平和と言えば実に平和な話である。それにしてもこの騒動はなかなか面白い。 最初はのぞき趣味程度のスタートのようだったが、最近ではなんやら、哲学めいたコメントも飛び出すようになってきた。...
ついに「一九九九年七の月」がやってきた。 果たして、ノストラダムス研究家の多くが言っているように、まもなく恐怖の大王が空から降ってくるのか。人類に破局は訪れるのか…。 九九年七月のシニカル・エッセイともなれば、まさにこれは格好のテーマである。 実際、世紀末的な色合いはますます濃く、コソボを巡るNATO軍のユーゴ...
久しぶりに海に没する夕陽を見た。 夕陽の光景はいつ見ても美しい。が、今回はいつもとはまた違った感動に誘われた。「陽が沈む」というよりは、「地球の自転」を実感したのだ。 自分の立つ地点が太陽の光の届かない方向へとゆっくり回転していく。そのとき地球の裏側では、新たな朝明けのシーンが繰り広げられていることになる。 人...
「これまでは売手市場だったが、これからは完全に買手市場。だから選ぶ主体が逆転する」 文部相で局長をやっていたX氏は、今後の大学受験に関してこう語る。これまでの大学入試は大学が学生を選別するための手段だったが、出生率が低くなってきたこれからは、大学が選ばれる立場に置かれてしまうというわけだ。 こんなことはあえて言わ...
「いまどきの若いもんは…」というセリフは、もう何千年も前からつぶやかれてきた嘆きだそうである。要するに大人社会の考え方(常識・価値観)からすれば、若いもんの考え方はさっぱり、まるっきり理解できない。これは、家庭にも学校にも職場にも共通した嘆きのようである。 自分勝手、無責任、無気力、周囲への無配慮、忍耐不足、不摂生...
「プログラム修正」という言葉が頻繁にマスコミに登場するようになった。いうまでもなくコンピュータ2000年問題の文脈においてである。 その意味するものは、これまで2桁で表示されてきた西暦年を4桁に修正すること。99年の次が2000年であることを、コンピュータに正しく理解してもらうためである。 いまや大問題になりつつ...
「昔々、みんなで一生懸命に学び、無我夢中で働きました。お陰で日本という国はお金持ちになり、技術もどんどん進みました。技術が進むと、それまで大勢でやっていた大変な仕事が、とても少ない人数や材料や時間、エネルギーで簡単にできてしまいます。そのぶん人々はのんびりでき、豊かになれるはずでした。 ところが、実際にはそうはなり...
新年号はめでたい話、明るい話題、と相場が決まっている。そこで何か新年にふさわしいテーマをと考えてはみたが、なかなかいいアイデアが浮かばない。それくらい、世の中は右も左も気分が滅入るようなことばかりということだろうか。いくら経企庁が「景気に変化の胎動」と慰めてくれてはみても、その胎動には、胸騒ぎのする予感も混じって聞こ...
ディスカバリー号から向井千秋さんが、「宙返り何度もできる無重力」と、おつな歌を地上に投げてきた。で、下の句を作れと言う。 「それにつけても金の欲しさよ」ではさすがに寂しい。無重力空間からのこの歌に、いったいどんな言葉を投げ返したら宇宙的な響きが生まれるのだろう。 そんなことを考えていたら、あるところから「若い人達...