~~~ちょっと出版業界のウラ側を想像すると…
稲田陽子
超売れっ子のお笑い芸人、ピース又吉(又吉直樹)さんが、
芥川章を受賞し、世間をあっと言わせました。
破格のベストセラーとなった『火花』がその受賞作となりましたが、
ふと私は、この人がもしも売れない芸人だったら、
事態はどう展開していたのだろうかと、(へそ曲がり?です笑)
興味深く思いました。
いらぬ憶測とは言えない出版業界そのものの体質を
つい想像してしまったからです。
確かに又吉さんは、売れっ子芸人ですから、企画構成力を必要とする
ネタ作りにも長けていることでしょうし、才能も実績もあるのだと
思います。その又吉さんが、なんと小説を書いたのですから、
世間が注目しないわけがありません。
しかも、はっきりした営利団体である出版業界も然り…。
巨大マスコミが後押しするその潮流を
見逃す手はありません。
文藝春秋の編集者は、いろいろな意味でまさに編集者冥利に
尽きたのではないでしょうか。
ただ、幸運だった又吉さんは、その幸運だけでなく、
一発屋に終わる受賞作家が多いなかで持続して書ける力が
あると見込まれての受賞だったとも言えます。
もっとも、その陰で、今回受賞を逃した無名の作家たちは、
やはりその無名ゆえに不運だったとしか言いようがありません。
こんなわけで、何とも解せない仕組みの中にいるわけですが、
これだけの話題性を持つ又吉さんの作品を
そのうち読んでみたいと思います。(書店では品切れ?)