~~~自然の土が戻ると、いいことがある!
稲田陽子 奇跡のりんごといえば、りんご農家を営む木村秋則さんが 自然栽培を成功させて作ったことでよく知られている。 失敗を重ね、試行錯誤を繰り返した苦闘の末に編み出した ものである。もともとは木村さんの妻が農薬汚染で体調を崩してしま ったことから、木村さんは妻に健康を回復してもらいたくて 無農薬、無肥料で行う自然栽培に挑戦した。 その決意から10年以上の歳月が流れてようやく自然に戻った 土から、免疫力の高い腐りにくいりんごができた。無農薬、 無肥料ではりんごはならないというのが、りんご農家の 常識であり、そのため木村さんの自然栽培への挑戦は周囲の 顰蹙を買い、長い間理解を得られなかったという。 毎年失敗続きの状態となれば、木村さんは周囲からの孤立 まで招いてしまった。 しかし、この苦難の間、自然であることの意味を問い、自分 たちも自然の一部であるという実感が木村さんを支えた。 りんごが地球と共生するためには、土の生態系が自然のまま 生かされていなければならない。そうした思考法は、木村さんを 知られざる世界へ誘ってゆく。 すべての生命体が自然界のものであり、その一部であると 考えるなら、木村さんのすべきことはシンプルになっていく ことしかない。それは自然と対峙し、抗うことではなく、 自然に従っていくことだけだった。自然が一番望むことを 実践していく。もちろん一石二鳥でできることではなく、 長い年月を要することである。 こうした自然改革を進めていかなければ、地球は、その自然 の破壊から滅びゆくことは容易に想像できると、木村さんは 真剣に考えて自然栽培のりんごを編み出した。いわば自然に 教えられながら、りんごという自然の側に立って栽培に成功 したと言える。 例えば、雑草を抜かないのは鉄則であり、そうすれば、土の 生態系が戻っていく。自然栽培は、まずは生態系の豊かさが 大切だという。生態系が戻ると、害虫の心配がなくなり 健康な食物が育つ。そうした状態の土が回復していくには 自然という暦の中で考えながら、地球の土が癒されていか なければならないと、木村さんは考える。 つまりは、人間と同じで冷え性の土は要注意だ。健康な作物が 育たない。フカフカとして柔らかく、空気がたくさん含まれて いるような土が望ましく、自然栽培に適していることになる。 この本来の地球の土は、農薬や肥料などの汚染がないため、 海や川も汚れることもない。すると、汚染が招いていた植物 プランクトンも大発生することもなく、地球の温暖化を防い でくれる。海水温の上昇が抑制されるからである。 そもそも病気というものも、自然の一部だと、木村さんは 語っている。だから、回復するには「奇跡のりんご」が そうであるように人間も自然治癒力がものを言う必要がある と言う。ガン細胞にも「仲良くやろう」と、話しかけると、 不思議なことに人間と共生しようとするとも著書に書かれている。 これは、松野哲也さんがよく言われている「人智を 超えたコヒーレントな生命反応」に呼応する。稲田も 『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』の中で同様なことを 書いている。 自然回復こそ、隠されたいま一番のテーマかもしれない。 自然の時間は、人間が考えるようにせっかちなものでもなく、 悠久であり、その捉え方を変えることで自然回復に添える ような人間性が育まれることも可能になる。 地球は、いま「奇跡のりんご」を作り、懸命に希望を与えようと しているかに思われる。 参考図書/『今すぐしなくてはならないこと』(木村秋則著)