~~~千島学説をもう一度海外へ
稲田陽子 いま、稲田の『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』 の英翻訳が進められている。ある程度まとまって 翻訳のファイナルチェックもなされた。もちろん まだまだ時間はかかりそうだが、小さな達成感となって いる。 書籍のテーマは、文字通りガンの呪縛を解く ことであり、それは生き方にまで波及する。 その軸になっているのが、千島学説だ。 千島喜久男博士(元岐阜大学教授)が提唱 したこの千島学説は、レベシンスカヤをはじめ 世界の名だたる研究者たちが絶賛した 革命的なものである。現代医学の定説を根底から 覆したと言われるその概要に驚かないものは いないのではないだろうか。しかも、現代医療が 千島学説の理論を実証する報告が日本の 内外を超えてなされている。 その最たるものは、日本の研究者らが「ガン 細胞が赤血球に逆分化する」とした論文で受賞 までしたという「赤血球可逆分化説」や近年 コロンビア大学の研究グループによる腸移植手術で 小腸に偶然造血幹細胞が発見されたという「腸管 造血説」と言える。こうした発見は、千島学説で すでに提唱されているもので、現代医学にいわば 証されたことになるようである。 前者については、千島博士自らが、論文の著者に 問合せ、その返答を待ったというエピソードが 残されている。 稲田の『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』は、 この千島学説を大きな軸として、現代医療、とりわけ ガン医療の実態を見つめている。いわゆるガンの 三大療法には、抗ガン剤などの化学療法、放射線療法 そして手術があるが、稲田は、病気よりも治療の 副作用でさらに悪化してしまう事例などを紹介し、 ガン治療のあるべき姿とは何かを洞察した。 その結果、千島の心身一如の弁証法を重ねつつ、 ホリスティックな医療に迫るとともに、量子論にまで 論法を進めて、心と体の繋がりに言及している。 ここに多くの研究者や論者を登場させ、独自の思考を 展開しているのは、非常に興味深い。 自らもガン患者であった稲田は、その治癒への真摯な 思いからガン治療の現状と未来を見据えた。 英語への翻訳をしたのは、ある通訳の方と私だけであるが、 札幌在住のイギリス人の先生のチェックを受け、 ネイティブの感性が網羅されている。 その先生が、『ガン呪縛を解く』について発行した 当時と比べ、むしろ今の方が外国の読者に注目 されるだろうと、感想を語られている。 「私の考えでは、この本は外国の読者にかなり 人気が出るのではないかと思う」さらに「ご主人 のアイデアは、当時、時代を非常に先取りしていた」 「近年になって彼のアイデアが主流の一つになっている」 というものだ。 これは、一つの柔軟なアイディアが国を超えて 共感を分かち合えるということにつながる。