あるチャネラーの『ぼくらしく』

~~~大人も考えさせられる絵本

 

稲田陽子

『ぼくらしく』という絵本が、小さなブームを
読んでいる。徳島のテレビ局である日本中央テレビで
紹介され、読み聞かせが楽しめる。ページが最後まで
めくられた後には、作者のチャネラー、中山千晶さんの
素敵な歌声が流れてくる。

このチャネラーは、中山千晶さんという古くからの知り合い
である。絵は、うちの娘(百合日)に頼んで描いてもらった
ものだ。娘も絵本を作るのは夢の一つだったらしく、
二つ返事で引き受けてくれた。もう10年くらいも前の話
である。それが、今年になって、小さなローカル局が取り
上げてくれている。不思議なこともあるものだが、
いいものは時代を超えるのかもしれない。

中山さんは、もともとハリ治療師をしていた方で、中国
に行き、専門の学校で学んだという。そんな中山さんは、
夫の稲田の講演会などにも参加しており、そのうち夫を訪ねて
来るようになった。様々な場所に住み、とても柔軟な
生き方をしておられる印象の方であった。絵本を作った
当時は札幌に移り住んでおり、夫の稲田は他界していたが、
中山さんのパートナーの方も一緒にお会いする機会も
多くなっていた頃だった。

物語は、「ぼく」の独白で始まる。小さなタネの「ぼく」は、
水をくれる女の子が望むものになろうと思う。女の子は、
「ぼく」にトマトになってほしいと言う。「ぼく」は、
その願いを叶えようと一生懸命がんばり、立派なトマトに
なるが、やがて枯れてしまう。女の子がトマトになった
「ぼく」に関心がなくなってしまったからだ。

そこから、「ぼく」は、気づいていく。自分は本当に
トマトになりたかったのだろうか。本当の「ぼく」は、
いったい何になりたかったのだろうか。土作りに励む
ミミズに出会い「ぼく」は、ハッとする…。
この続きを含め、ミリョク的な?絵とともにぜひ本文を楽しんで
いただければ、と思う。

さて、自分らしくいろいろなことへのチャレンジを厭わない
中山さん。海外移住も体験し、自らの人生はいつも
「自分らしく」動いているように思われる。いまは、
チャネラーという仕事が中山さんに訪れている。
ことによると、当時未来の夢を語っていた中山さんの
目の輝きと、この「いま」が繋がっていたのでは…?

大人も子どももともに楽しめる絵本「ぼくらしく」…。
この機会に試聴してみてはいかがだろうか。
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