~~~気血動の調和は、地球にも
稲田陽子
今年の冬も、広く日本海側に寒波が襲来し、まとまった
積雪があるなど、相変わらずの異常気象である。それも
だらだらと長引くタイプのもので、温暖化の影響による
ものなのは想像にかたくない。温暖化は、北極の気候を
変えているが、寒波の要因も極渦が分裂するという新しい
発見も紹介されている。災害級の雪が降るのも、その
分裂した寒気が日本の空に異変をもたらすからだとも
考えられる。
本州は東北から九州までの日本海側で、北海道は道東を
中心に雪害となった。ことに帯広の積雪は、一夜にして
124cmという記録的なものであり、「かつてない」ほどの
量の雪が降った。一方、札幌では、比較的穏やかな気候の中、
雪まつりの氷の像がいきなり来た突風で崩れ落ちるという
「かつてない」アクシデントに見舞われてもいる。
夏の猛暑も同様に、「かつてない」ほどの記録的なものと
表現され、毎夏、更新されていく。昨年、話題となったのは、
「沸騰する地球」という表現であった。これも「かつてない」
現象ということになる。
実は、最近よく報道されるこうした「かつてない」という
言葉が、この時代の戸惑いを表している。もちろん、この
気候変動にも、地球は寒冷化しているという人々もいる。
それは、自然の流れのサイクルでは寒冷化の方向にいく
はずだという本来の論拠からであるようだ。
確かに、温暖化や寒冷化には太陽の活動も影響しており、
2025年の今年は、太陽フレアが問題になっているほど、
その活動が盛んだという。これは、温暖化に影響するも、
寒冷論者は、あくまでも寒冷化傾向の中の温暖化と捉えている。
大きな気候変動の方向は人為では変更されないという考え方
なのだろう。しかし、現実は、「かつてない」ほどの温暖化に
よるという異常気象が起きているのは事実である。
これが、「災害級の」という言葉につながっていき、人々を
さらなる不安に導いてしまう。自然である地球の自然治癒力の低下も
あって、人為的な活動の影響にこれ以上耐えられないと、
地球が叫んでいるのかもしれない。そこに人々は気づいていても、
なす術がないかのようにも思われる。
しかし、自然への回帰は、「かつてない」ほどに深刻な問題
である可能性がある。千島学説が説いている「気血動の調和」
が今こそ、地球そのものに必要な時はないのではないだろうか。
気は森、血は川や海、そして動は循環。地球規模の森がこれ
以上失われることがないように願いたいものである。酸性化傾向
が続く海の健全さも忘れてはならないはずだ。