~~~能登半島地震に被災された方々にお見舞い申し上げます。
稲田陽子 能登半島で起きた今回の地震は、その海岸が隆起して地形が はっきりと変化してしまったほどの驚異をもたらした。 200人以上が亡くなられているほか、安否の不明な人々も いる。幸いにして避難された人々も、その健康状態が心配されて いるようだ。 2016年の熊本地震では、地震後に関連して亡くなられた人々の統計が 出されている。それによると、地震で亡くなった人の4倍以上に上り、 80代が一番多く、70代以上で8割近くになっている。 こうした関連死の要因になっているのが、高齢者にとっては負担になる 環境の激変や、薬が手に入らなくなったり、トイレに行くのを嫌がり、 水や食糧を控えてしまうことであるという。 長引く避難所生活は、体力の維持が欠かせないのは言うまでもない。 さらには、今回の地震では、震度5もの大きな余震が頻発し、被災者には ストレスが増加する仕組みが揃っている。千島学説では、健康の維持には 「気血道の調和」が大切だと提唱されているが、まさに地震は心身に 少なからぬ負荷となるものだけに、普段から心に留めて千島学説的実践を するのも、急場に役に立つのではないだろうか。 気と血は繋がっており、ストレスは体に応えるもの。普段から、マインドフルネス などの瞑想法などに親しむのも良さそうだ。これなら、避難所でも簡単に 実践でき、心の安定に寄与してくれる。このマインドフルネスは、禅の 発想から編み出されており、広く流布されたのは、ベトナムの高僧で、ベトナム 戦争をはじめとした平和運動をマインドフルネスを取り入れて行い続けた ティック・ナット・ハンの貢献が大きく関与している。これは、心が豊かに 満ちている「今、ここに」という感覚が、心の平安を保つようになると、 今では、個人のみならず企業でも取り入れられている。 もちろん、この瞑想を知らないこともあるに違いない。その場合も、避難所に セラピストが出向いて、実践することも可能だ。多少の雑音は出てしまう としても、わずかなスペースがあれば、誰でもできる健康法だからである。 2035年ごろには、あの南海トラフ地震も予測されている。これは、90年~ 265年のサイクルからはじき出されている数値で、最短で90年だとされている。 また、2038年とする地震学者もいる。いつ起きるのかは、今のところ人智を 超えた話でもある。 大地震の時代、防災グッズを用意するだけでなく、千島学説的暮らしにも 親しんでいきたいものである。基礎体力は、どんなときにも人生を豊かに してくれるのではないだろうか。