~~~がん患者さんとともに生きて
稲田陽子
11月1日に寺山心一翁さんが天に帰られた。催眠療法で
知られる萩原優さん(イーハトーブクリニック院長)のブログで
たまたま目にしたのだが、寺山さんのご様子がいろいろ想像され、
改めて体調不良でおられたことが腑に落ちたものだった。
寺山さんは、大きな方だったので、大いなる宇宙にまっすぐ
帰られたに違いないと、その回帰に感慨深い思いが浮かぶ。
ご自身のガンを克服し、その後の人生をガン患者に向けて
ホリスティックな代替医療を歓迎するメッセージを発信
し続けられた方であった。実は、寺山さんは、抗ガン剤や放射線
治療から逃れるように病院を「脱出」し、死を覚悟しながら
自宅療養を続けるうちに、当のガン細胞は消えてしまい、
見事に健康な体に戻ってしまった。このとき試したのが、
自分に合った自助療法だという。さらには、心や精神の状態も
大切であり、ご自身の体験的な感動の「閃き状態」についても
言及しておられた。こうした一連の体験は、ご自身の『ガンが
消えた~ある自然治癒の記録』(寺山心一翁著)に詳細が
記されている。
夫の稲田も、寺山さんの生き方を尊敬し、共感しあう関係を
いただけたことは、幸いであった。アンドリュー・ワイルの
ことは、夫が『ガン呪縛を解く』の中でページを裂き、
力を入れて書いていたが、寺山さんは、そのワイルと出会い、
アメリカで講演会を開かれていたと、聞いている。
フィンドフォーンも、寺山さんの十八番であった。そこは、
スピリチュアルな聖地と言えるほど、よい気に恵まれており、
荒地が豊かな実りの地に変容したのだという。寺山さんは、
この知られざる地を日本に知らしめた。
寺山さんは、夫の回帰後も、たまにお電話をくださるなど、
気にかけてくださった。私のブログにも時にご共感を
いただき、感想を入れたご丁寧なメールをくださることも
あった。とくにがん患者さんについてのブログ記事には、現代の
医療のあり方を含めたご自身の貴重なガン観を語るものと
なっており、深い印象を与えられる。
寺山さんの思いがいまも伝わってくるようだ。
ご冥福を切にお祈り申し上げます。