千島学説と認知症

~~~パンを食べると、認知機能が低下?

稲田陽子

ここ数年、パンと認知症の関係が取り沙汰されるようになった。
パンの原料である小麦粉にその原因があり、食べ続けると、
その成分のアミロペクチンが脳にダメージを与えるのだという。
まして、消化吸収がよい食べ物ではないため、未消化物質が脳に
取り込まれて、炎症を起こすというのだから、穏やかではない。
これは、腸の壁をも傷つける。さらには、成分のグルテンは、
依存性があるというから、厄介である。

そんなこんなを知らずに、焼き立ての美味しいパンを買い、朝食に
している人々もいることだろう。たまに食べる分にはさほど問題には
ならないと思われるが、常食になっている場合は気になるところだ。
現在、認知症は増え続けており、グレーゾーンを含めて3人に1人の
割合で罹患していると言われている。この病気は、ほとんど生活習慣病
のようなところがあり、20年以上もかけて、その人の暮らし方や過ごし方を
反映して認知症の道に入ってしまうらしい。これは、パン好きな人に
とって耳の痛い話だとはいえ、ストレスフルで不規則な生活をする
人にも深刻な情報のようだ。

認知症は、まだ明快な決め手となる治療法が開発されていない。
原因になるのは、アルツハイマーではアミロイドβというタンパク質で、
脳内に蓄積されるというのはよく知られている。レビー小体認知症は、
レビー小体が脳に溜まっていく病気である。この他に脳血管性認知症も
周知されている。高齢化が進めば、こうした病気が増えていくのは
当然のことなのかもしれない。

ある意味で、ガンと同様に老化がその根底にあるとも言えそうだ。
さて、千島学説なら、これをどう読み解くのだろうか。一言で言えば、
アンチエイジングを実践すれば良いのだろうか。認知症も老化と関連する
生活習慣病と同様に考えるという人もいる。確かに、自助努力である程度は
防げる病ではあるので、「脱老化療法」も一理あるに違いない。

千島学説では、きれいな血液を重視し、そのために腸の健全な活動が
望ましいとされる。腸内環境が整い、腸内フローラが健全であることは非常に
大切だ。この腸の働きと体に良い食べ物で、健康な赤血球が生じ、それが
丈夫な白血球となって免疫力が強まるだけでなく、よい細胞を生み出す。
ここから、全身病であるガンにおすすめの療法が生まれるが、脳内の病気にも
例外ではないことだろう。「気血動の調和」でこの療法を進めれば、細胞が
酸化されにくくなり、全身の老化のスピードが遅くなるはずである。

食べ物は、玄米を取り入れ、粉類は精白されていないものが求められる。
玄米も、最近の炊飯器でも柔らかいものが炊けるが、よく咀嚼するのが
条件だ。長岡式玄米は経験上おすすめである。
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