温暖化を救うのか?ミニ氷河期到来の噂

~~~黒点が活性化し温暖化が加速、「2025年問題」も浮上

稲田陽子

大自然といえば、地球の姿そのものであり、そこに大きな
摂理や恩恵があるのに、私たちは、とかく目先のことに
とらわれてしまい、大事なことを忘れてしまいがちだ。
もちろん地球が生命を育む稀有な星であると考えている人も
数多くいることだろう。そんな地球だからこそ、気になるのが
現在進行形の異常な温暖化現象だと言える。

異常気象が年間を通し頻繁に現れ、災害警報が増えるのはやはり
尋常ではない。さらには、気温上昇も半端ではなく、
ここ札幌も、記録的な真夏日が続き、最高気温も35度を
超えるのも珍しくなくなった。こうしたことは、日本各地でも
同様なのは言うまでもなく、40度近い気温上昇のところもあり、
猛暑日は当たり前になった夏である。それだけに、熱中症も
増え、気象情報では「危険な暑さ」という表現も飛び交った。

いったいこの人為的な温暖化を救う手立てがあるのだろうか。
そうなら、ミニ氷河期が来れば、温暖化が治るのではないのか
という考え方も出てきている。それに呼応するかのように、
2015年に行われた王立天文学会でイギリスのノーザンブリア
大学のザルコバ教授が2030年かた2040年にかけて太陽活動が
半分以下に低下してしまうという予測を公表した。

これは、地球全体の気温低下を示唆しているもので、「マウンダー
極小期」のようなミニ氷河期が到来するというわけである。
この氷河期は1645年から1715年まで続いたとされ、イギリスの
テムズ川が真夏でも分厚い氷が張ってアイススケートができるほど
だったという。それが、異常な温暖化を解消するかのように
再び訪れると予測されている。

そもそも温暖化は、太陽活動に左右されている。太陽黒点の活性化と
太陽磁場の磁気波の影響を受けて、地球の気温の上昇を招くことが
わかっている。とくに太陽磁場によるモデルは、ザルコバ教授が
初めて編み出したこれまでにないもの。精度は97%だと伝えられている。

現在の太陽活動は、活性化しており、人為的な温暖化に加えて、
自然現象としても気温上昇の時期に当たっていると言われている。
太陽フレアの活動の煽りで通信障害などが予想されている2025年問題も
控えているが、さらなる温暖化による異常気象も起きそうだ。
怖いのは、活発な太陽活動と人為的な温暖化の組み合わせかもしれない。
これ以上の気温上昇は誰も望まないはずだ。

この時期が過ぎ去ると、太陽活動が低下し、寒冷化に向かうというのが、
新しいモデルによる気候予測である。実際にどんなミニ氷河期を
過ごすことになるものか関心のあるところに違いない。しかし、それは
過去の「マウンダー極小期」を振り返る以外に予想が難しい。ただ、
救われるのは、江戸時代であった日本でその時期に大飢饉に見舞われて
いないらしいということ。だからと言って、何もなかったわけでもなく、
飢饉には見舞われていたし、気温も地球全体の平均気温が1-2度低下しているの
だから、寒さも並大抵のものではなかったのではないだろうか。

今後訪れるかもしれないミニ氷河期に温暖化の緩和が望めるなら、そんな
よいこともない。とはいえ、災害レベルとしか思えないような温暖化の
暴走に、地球の自然現象である寒冷化がどこまで対応できるのか、
そこが鍵となっている。一番望ましいのは、江戸時代のような感覚で
ミニ氷河期を過ごせることだろう。その確実性の保証を求めることは
できるのだろうか。江戸時代には、人為的な温暖化はなかっただけに
いまとは異なる。極端な気温上昇が寒冷化と鉢合わせとなったときに、
どんな異常気象をもたらすものか、誰にもわからない。
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