治癒とプラシーボ効果

~~~『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』と
量子コヒーレンスの出会い

稲田陽子

風邪を引いて病院に行くと、抗生剤が出されていたことが
当たり前の時代があった。最近は、風邪はウイルスによるもの
だから、抗菌剤は出されることはない。いまはこれが普通だが、
少し前には出された抗菌剤を必要もないのに規定分を全て飲み
尽くし、風邪を治したと思い込んでいたのではないだろうか。
この時おそらく働いていたと思われるのが、プラシーボ効果
である。

プラシーボ効果とは、偽薬であっても、患者が信じてその薬を
服用した場合に病気が治ってしまうことがあり、その現象を
指している。風邪などは良い例で、ウイルス感染なので、抗菌剤を
飲まずとも自然治癒力で治ってしまう。アンドルー・ワイルは、
病の治癒にはこのプラシーボ効果がごく普通に働くもので、
極端な言い方をすれば、どんな治療法であっても関係がないのだ
という。

これは、長年世界中の代替医療を実地見聞し、また体験して
得られた研究の結論である。とくに「信仰」によるものなどは、
信じる意識が強く働くため、プラシーボ効果が強く出ることも
ある。ワイルによれば、こうした意識は、現代医療にも反映
されており、強い「科学信仰」の元に、この反応が活性化していると
分析している。それが成立するには、まず、患者が治療法を信じて
いること、次に医者もその治療法を信じていること、そして患者と
治療者である医師が互いに信じ合っていることという3つの条件が必要だと、
ワイルは語る。これさえ揃えば、代替医療でも同じことが起こりうる
というから興味深い。

信じるという意識は、悪いものではない。マイナスに働けば、
副作用さえ作ることもある一方、プラスに働けば、自然
治癒力を強めるからだ。これは、一体どういうことだろう。

『ガン呪縛を解く~千島学説パワー』では、意識を最先端の量子研究
の視点から考察し、最前線の量子物理学の研究者たちが量子コヒーレンスは
「意識のコヒーレンス」と共同歩調をとることができるのだと気づいたと
記されている。現象界も、ホログラムとして表現されているもので、ゼロ
ポイントフィールドからの投影のようなものだと解釈されている。ラズロは、
このフィールドを「物質と精神性」の情報場としてのAフィールド
(アカシックフィールド)と呼び、生命現象の源と考えた。

ここでは、一貫性のある量子間の交流がなされており、緊密な情報
コミュニケーションが行われている。プラシーボ効果は、まさにこの
Aフィールドの産物であると言える。さらに言えば、千島学説で提唱
された気は、量子真空に存在するエネルギーであり、プラシーボ反応を
介して生体に働く。

千島学説の気は量子論的には荒削りであるが、その世界は、それにも
関わらず、最先端の量子力学の描く世界観を確実に内包していると稲田は
『ガン呪縛を解く』で語っている。つまり、そこから気血の乱れや調和を
より明快な説得力を持って説明していくことができることになる。
気は、意識のコヒーレンスが血に影響を及ぼし、乱れや調和を表現するもので、
ガンをはじめ、病は気から始まるというのも事実というわけである。

人の生体に光子が発見され、量子コヒーレンスが証明されると、さらに
意識のコヒーレンスに気付いていく先端量子物理学の世界観に稲田は、
人の意識のコヒーレントな光を根底で意識するようになり、Aフィールドを
身近に感じ始めていたように思われる。それは、稲田のその後の生き方や
活動に大きな影響を与えていった。

参考
・『ガン呪縛を解く〜千島学説パワー』(稲田芳弘著)
・『人はなぜ治るのか』『癒す心、治す力』(アンドルー・ワイル著)
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