~~~誰でもインナードクターに出会える内的世界へ
稲田陽子
萩原優医師から、ご自身の新刊『催眠療法』が送られてきた。
以前に刊行された書籍に大幅に加筆した改訂版だそうだ。
萩原先生とは、(夫に同行し)カナダのガストン・ネサーンを
訪ねて以来のご縁(『ソマチッドと714Xの真実』に寄稿いただいて
いる)で、先生の書籍に時折付属する「催眠のためのCDブック」は、
私もお試し済みであった。
萩原先生は、元々外科医として大学病院に長年勤務され、
その後退職されてからは、ライフワークとして関心の高かった
催眠療法の専門医として、ご自身のクリニック、イーハトーブ
クリニックでガン患者さんをはじめ多くの方の相談に乗り、
催眠療法を含む補完・代替医療に従事している。
その先生が日頃から力を入れているのが、催眠療法である。
これは、クライアントの潜在領域に医師やセラピストが働きかけ、
病気の原因や治る方向性などを自己発見してもらうというもの。
この誘導で、患者は自身の中にインナードクターを発見すること
にもなり、俯瞰して自身の病気を見ることができるようだ。
とくに先生が名付けた「催眠腫瘍学」では、誘導催眠で「ガン細胞と
対話する」という画期的な方法を取り入れているだけでなく、ソマティック
ヒーリングも行っている。この方法は、複数の熟練したセラピストが
患者さんを圧迫感なく囲み、ヒーリングの施術をするものだが、この時
大切なことは「患者さんの心のリラックスを心がける無条件の愛を
持つこと」だという。この段階で、患者さん自身の病気や悩みの根元が現れ、
時に解消されることもあるのだという。
千島学説の千島博士は、心身のつながりを「心身一如の弁証法」と
いう言葉で表現したように、ホリスティック医療を提唱する先駆者の
一人でもある。萩原先生が行っている催眠療法も、このホリスティック
医療の領域であり、とくに潜在意識を対象としている点、解決への糸口が
単一ではなく、包括的である。
「見えない世界」を信じるか否かが、この療法を受ける鍵となるらしい。
もっとも、クリニックでもセッションが行われている前世療法も、
「生まれ変わり」については事実であるかどうか決めつけることはない。
ただ浮かんでくる人物やストーリーをありのまま受け入れる。そこから、
現在の自分の状態のヒントが得られるからだ。この療法は、精神科医、
ブライアン・ワイスの『前世療法』を読むと、わかりやすい。(萩原医師は、
ワイスの研修を受けているそうだ)
萩原先生は、「見える世界」である西洋医学の世界で活躍されていたが、
その限界も十分に理解していると言われる。心身一如の生命体である
人間への理解と愛、治癒への情熱がさらなる展開を生んでいる。その試みが、
ホリスティック医療としての催眠療法なのである。クリニックでは、この
療法とともに、さまざまな補完・代替医療も提供している。
なお、催眠療法は、潜在意識を扱うものでもあるので、一人、自己流で
行うのではなく、熟練した医師やセラピストの元でセッションを
受けるカタチをお勧めしたい。