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monologue「この街…」

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ここから見る、札幌の街の夕景です。
ほぼ中央に、JRタワー。
人口180万人以上のこの街は、どんどん便利になってきています。

しかしこの街が、何ごともなく活動していくためには、
巨大で複雑な装置の文明システムが、万全に機能しなければなりません。
遠くのどこかに依存している電力システム、水道システム、
さらに通信や交通のシステム、またガスやガソリンなどの補給システム、
もちろん毎日大量に消費されている食糧や生活雑貨の補給も不可欠です。

その中のなにかに万が一トラブルが生じたら、
この巨大な文明維持装置にはたちまち異常が生じ、
経済も暮らしも、一挙にパニック状態に陥ってしまいます。
大きな都市の便利な暮らしには、複雑で巨大な文明維持装置が欠かせません。
しかしその多くは、この街自体で自給できず、
エネルギーや物資のほとんどを、どこか遠くに頼って維持しています。

いったい、どこに依存することで、この街は維持されているのでしょうか。
エネルギーに関しては、ほとんどが海外(中東)です。
食糧も、一部を除いて、道外、または海外です。
経済を動かす資金は果たしてどうでしょうか。
その多くが、中央政府に依存しています。

札幌に移り住んでびっくりしたことは、
いわゆる税金なるものに依存する人口が多すぎるということでした。
公務員はいうに及ばず、財団法人、社団法人等々が多くあり、
医療関係もまた医療保険に依存する意味で、税金もどきへの依存産業です。
また土木や建築の多くが公共事業(税金)で生きている事実も、
決して見逃すことができません。

その一方、かつて5万人を数えた自衛隊が北海道にはいましたが、
これは500万道民の100人に一人が自衛隊員という計算で、
自衛隊を相手に事業を営んでいる産業をも考えれば、
北海道のかなりの割合が自衛隊予算で生きていることになります。
もちろん防衛費は税金でまかなわれていますから、
これだけでも「税金依存」の実態がご理解できるでしょう。

そうです。北海道経済は中央依存、税金依存で支えられています。
不況は弱小民間企業を苦しめていますが、
税金に依存して生きる人々が圧倒的に多い北海道は、
「痛みを分つ」構造にはなっていません。
自殺者や犯罪が多発する中にあって、
貧富の差がどんどん拡大しているというのが、偽らざる実態です。

ぼくが札幌に移り住んだばかりのころ、
北海道経済の特殊性を指摘して、次のようなキーワードを作りました。
「北海道は、国策最前線基地」にして、
「札幌は、難民キャンプ型経済」であると…。

これだけでは、たぶん意味が分からないと思いますので、
またいつの日か、改めてその意味を書き込んでみたいと思います。

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