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タネ集めを支える人々

「エコろじー24号」2003.9月号

 地球の砂漠化など深刻な環境問題が浮上するいま、実際にタネを集め、粘土団子にして砂漠にまいている人がいる。本間裕子さん(東京在中)がその人で、本間さんは福岡正信さんに学び、福岡さんのアシスタントとしてベトナム、中国、ギリシアなどの政府に招かれ、砂漠の緑地化に携わってきた。またこの春にはアフガンに8トンのタネを送り、自らまいてきた。
 こうした動きに協力しているのが、日々こつこつとタネを集め、本間さんに送っている全国のボランティアたち。そしてその一人に、前回も紹介した富永わか子さん(札幌市在住、主婦)がいる。今回はその富永さんに、具体的なタネ集めのコツを披露してもらった。

●たくさんの種類を集め タネを水で洗い、乾燥

 タネ集めは、だれにでもできる、ごく簡単なもの。果物や野菜から出るタネを取り、洗って、風通しの良い日陰で、竹ザルか新聞紙の上で乾燥させるだけでいい。虫がわいたり、カビが生えてこないようにするためだ。
 「100円ショップで買った小さなザルでタネを洗っています。ただ、かぼちゃやメロンのタネは、ザルの上で洗ってもきれいにならないので、洗った後で新聞紙の上で乾かしてから、付着しているものを落とします。かぼちゃのタネは乾燥までに時間がかかり、じっくり干すことがとても大切。そうしないと、カビが生えてしまいます。ピーマンのタネは、ワタのようなものと一緒に取り除き、洗わずにそのまま乾燥させておくと、自然に取れてきます」
 と、富永さんはそのやり方を具体的に説明する。また、
 「悪いタネというのがあって、未熟なものはダメ。かぼちゃ、とうがん、にがうり、メロンでは、指で押したときに、中がすかすかだったり、すぐ割れてしまうもの、紙のように薄いものは、取り除きます。ピーマンも、乾燥させて、黒っぽく縮れてしまうものはダメなんです。白く、丸ければ、大丈夫。包丁で切れたりしたものや、割れたもの、穴のあいているものも除いてください」とのこと。
  富永さんは、りんご、オレンジ、レッドグローブ(ぶどう)、ピーマン、グレープフルーツ、レモン、アサガオ、かぼちゃなどのタネを小皿に小分けしたものを見せてくれた。いずれも、根気よく集めて、いつでも本間さんに送れる状態にしたものだ。今年の2月には1年間分のタネを500グラム送った。
 タネの種類は、もちろん多い方がよい。「秋にタネがたくさんとれますので、いまから楽しみにしています」と、富永さんは目を輝かせる。

●森の大切さを子どもたちに 学校が積極的に教えて!

 富永さんは、小さな時分に「毒が出るのにどうしてプラスチックを燃やすのを止めないのだろう?地球が汚れるのにと、直感的に感じていたが、それが、地球の環境問題への最初の一歩だったのかもしれない」と言う。
 「地球を基本に考えたら、いろいろな矛盾が出てくるんです。ゴミ問題とか、化学肥料の問題とか…」
 主婦となった今は、もっとはっきり現実が見える。「森がなければ、いのちは生きていけない。森と海はつながっていますし、森があっての地球。だからといって、砂漠にやたらと植林をしても、うまくいかない。以前テレビで見たのですが、砂漠に木を植えても、どかんと雨が降れば、土に雑草がないため、すぐ流されてしまうんですね。それを見て、粘土団子を蒔けばいいのにと、ホントに思いました」
 4年前からタネ集めをしているが、モットーは、決して無理をしないことだという。東京の本間さんのメッセージも同様で、「ひと粒のタネからでも受け付けている」。
 「たくさん集めることが出来なくても、多くの人が参加することで大きな力になるのではないでしょうか。学校でも森の大切さを教えていけば、子どもたちも地球の砂漠化などの環境問題に自ずと関心がいくようになるのでは」と、富永さんは語る。
そもそも地球上の森をどんどん伐ってしまい、「温暖化」を含む「砂漠化」を進めてしまったのは、私たち先進国の人間たちだ。経済のグローバリゼーションが引き起こした大きな過失である。さらに戦争の影響も、決して忘れてはならない。
 飢えに苦しむアフガンは、もともと豊かな緑の大地だった。それが、先進国が優位に立つ不当な貿易で荒地化に追いやられたうえに、度重なる戦争や紛争ですっかり砂漠化してしまったという。
 「100人の村」ではないが、この国の人は、裕福な先進国に犠牲を強いられた典型的なケースと言える。
 富永さんの言うように、子ども時代にしっかりと森の大切さを学ぶと、それは、未来の地球の豊かな財産になるはず。儲け主義の国が世界を侵略しなくなるように、智恵を持った人間が多くなるはずでもある。先進国の学校こそいま、この問題に目を向け、生ゴミになってしまう小さなタネから緑の地球がよみがえることを教えてほしい。(稲田陽子)

●本間さんの連絡先は、〒134ー0088東京都江戸川区西葛西3ー14ー15ー1408、FAX03・3869・7666。関心のある人は、本紙「エコろじー」か、本間さんにタネを送ってみてはいかがだろう。ひと粒でも、受け付けている。なお、送るときは、種類別に分けてタネを紙の袋に入れ、タネの名前を明記したい。

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