斎藤牧場の牛たち

この「山の牧場」の牛たちについては、ほかのコメントでも触れていますが、
ほかの牧場の牛と全く違うところは「自由で自然な暮らし」をしているということです。
ここで牛たちは、とにかく健康的な人生、いや「牛生」を送っているのです。

cow

まず、何よりも健康的であるのは、牛たちがおいしい草を食べている点でしょう。
牛が草を食べるというのは、当たり前と言えば当たり前のことですが、いまの日本の酪農では、牛たちはそれすら許されない環境に置かれています。
というのも、牛たちはたくさん乳を出す「牛乳製造器」と化しているため、海外から輸入された穀物(トウモロコシなど)を食べなければなりません。
つまり主食は穀物、そして胃の調子を整えるためにほんの少し「ワラ化した牧草」
を食べているのです。
その結果、いったい何が起こっているか。さまざまな病気です。
それもそのはず、牛には本来4つの胃袋がありますが、こうした食事では胃袋が1つで済んでしまいます。
なにしろ人間とほぼ同じものを食べているのですから。

病気が増えれば、当然さらにさまざまな薬がエサに投入されることになります。
こうしてエサの中には数多くの抗生物質や薬品が混ぜられます。
これは果たして牛にとって、幸せなことなのでしょうか。

牧場といえば、広い牧草地にのんびりと草をはむ牛の群れを想像しますが、いまの酪農ではそうした風景を期待することは無理になってきています。
その理由は、「舎飼い」がほとんどになってきているからです。
「舎飼い」のほうが「管理しやすい」という面もあるのでしょう。
そこから生じるもう一つの問題は、牛の運動不足です。
しかし経営者としては、下手に運動をしてエネルギーが運動に消耗されるより、お金をかけて食べさせたエサがそのまま「牛乳」になってくれることを望みます。
つまり、投入したコストを、牛乳というかたちで効率的に回収したいのです。
これまた牛を「牛乳製造器」と考えることの必然です。

すべてがお金で動いている世の中では、確かに牛に稼いでもらう必要があります。
しかし牛は決して「機械」ではありません。牛は人間の稼ぎのために乳を出すのではなく、あくまでも自分が生んだ子牛を育てるためにおっぱいを出しているのです。

ところがどん欲な人間たちは、まるで牛を機械のごとく考えて、「もっと出せ! もっとたくさん乳を出せ!」と牛たちに迫ります。
たくさんの牛乳を搾り取る(これぞ搾取?)ために、品種改良をどんどん進め、優秀なオス牛の精子を高く売りつけたりもします。
いまでは「種付け」に、一頭あたり一万五千円から二万円もするとか。
それもオス自身による妊娠ではなく、人間(獣医)の手による人工授精ですから、これではメス牛も(いやオスたちも)たまったものではありません<笑>。

こうして牛たちはすっかり「牛乳のための手段(機械)と化してしまいました。
しかし斎藤牧場は全く違います。
メス牛の群れに2頭のオス牛をいっしょに放牧しておけば、オス牛は勝手にほぼ100%メス牛を妊娠させてしまうというから頼もしい<笑>。
そんな話を聞くにつれ、今度生まれてくるときは斎藤牧場のオス牛になりたい、などと思うのはぼくだけでしょうか<笑>。

すみません、つい話がおかしくなってしまいました。
斎藤牧場の牛たちについて書きだすと、きりがありません。
牛に関してはそのうちにまた書くとして、ここで強調したいのは、「斎藤牧場の牛たちは、自由に、自然なままに生き、とても幸せ」ということです。
そこにはほとんどストレスなどないでしょう。だから「穏やか」なのかもしれません。

以上から考えられることは、同じ牛乳でも、ストレスや病気の牛から搾り取る牛乳と、健康で幸せな「牛生」をエンジョイしている斎藤牧場の牛の牛乳では、その質が全く違うのではないかということです。
「赤い鳥、小鳥」は「赤い実を食べた」から赤いという童謡のように、「幸せな牛たち」からいただいた牛乳を飲むことで「幸せな日々」が過ごせるのではないか、ぼくにはそんなふうに思えてなりません。

ということで、今年は「斎藤牧場の牛のおっぱい」をぜひ毎日いただきたい。
それもできれば、みんなにも分けてあげられる仕組みを作りたいと思っています。
(斎藤さんも、もちろんそれを望んでおられます)

だって、斎藤牧場の牛乳がミルクタンカーで運ばれていって、ほかの牛乳とあっけなく混ぜられてしまうのでは、あまりにももったいない。
山で遊ぶ牛たちも、喜んで飲んでくれる人たちがいてこそ生きがいもあるというものでしょう。

すっかり話が吹っ飛んでしまいましたが、「癒し」のテーマに戻ります。
化学物質過敏症の方々が斎藤牧場で改善されたというその原因のひとつに、ぼくは「牛たちの功績」と「牛のおっぱいの質」の問題もあるのではないかと思うのです。

もちろんそれは、斎藤さんにすべて起因します。
そんな幸せな牛たちと環境を育てたのはあくまでも斎藤さんであり、また「斎藤さんの笑顔」はそれだけで心を和ませてくれるからです。
だから、毎年たくさんの研修生や来訪者たちがそこに訪ねてくるのでしょう。
斎藤牧場では単に「牛の飼い方」だけでなく、「生き方」まで学ぶことができそうです。

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