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斎藤牧場「水の風景」 | 稲田芳弘コラム
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斎藤牧場「水の風景」

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斎藤牧場の魅力のひとつに、「水の風景」があります。
いったいなぜ、牧場では水が豊かなのか?
答は簡単、山の牧場にはたくさんの木々があるからです。

木は山に降った雨を地中に蓄え、地下水を生みだします。
木の根はその地下水から水を汲み上げることで育っていくのです。

そしてその地下水は山のあちこちに湧き水を作り、それらが集まって渓流となります。
写真の池も、渓流がつくりだしているもので、たくさんの木があることから、夏でも湧き水は枯れず、その結果、池もたえず豊かな水をたたえているのです。

こうして牧場の水の風景は、それを見る人の目を楽しませてくれるばかりか、牛たちにも冷たくて滋養にとんだおいしい水を提供し、同時に、野鳥や野の動物たちにもうるおいを与えてくれています。

こんな牧場がほかにもあるでしょうか。
酪農の先進国ニュージーランドの専門家たちが斎藤牧場を訪れたとき、そのさまを見て「パーフェクト!」と絶賛しました。
ニュージーランドではいま牧場でせっせと植林しているそうですが、ここでは最初から木を残してエコロジカルな牧場を作っていたからです。

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あちこちに湧き水があることから、そこに冷えているビールやジュースを飲むことができるのもまた楽し。
ちなみに斎藤牧場では、自分で持参した飲み物を飲むのではなく、「そこに冷えている飲み物」をまず頂戴し、自分で持参した飲み物を「そこ」に入れて帰るのが、ここに集う者たちのならわしとなっています。

ぼくなんかは、最初はそれが分からず、ただもらって飲んだだけでしたが、次に行くときには「お返ししなくっちゃ!」という気持ちになります。
こうして、湧き水のある場所には、なぜかどんどん飲み物が増えていく。
斎藤牧場には、世の中とはちょっと違った経済学が息づいている感じです<笑>。

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