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シニカルエッセイ | 稲田芳弘コラム - Part 2

2000年05月:多数決とは別の、ウコチャランケ

 小渕首相が病に倒れ、森政権が誕生した。連立政権を考えた場合、どうやらこれがベストの選択肢だったらしい。日本の社会が議会制民主主義、つまり多数決の原理で機能している限り、過半数を取ろうとするのは当然の政治力学だからだ。だとしたら、森政権にベクトルが動いたとしても不思議ではない。  珍しく政治的な問題から書き始めてしまっ...

2000年04月:恐るべしちっちゃな存在

 「俗に言えば、運が悪かったというべきか…」  新潟県警の不祥事問題で、正直すぎる小渕首相は、ふと本音を洩らした。この失言に対して野党各党からは激しい野次が飛びかったが、首相の言いたかったことは決して間違ってはいなかった。  そう、新潟県警の本部長は、誠に運が悪かったのだ。もしもあの日に行方不明だった少女が見つかってい...

2000年03月:腐敗物をも美酒に変えてしまうマジック

 学生時代、数ヶ月間川崎のドヤに泊まって、製鉄所で肉体労働をしたことがある。高度経済成長期のド真ん中、その頃の日本の未来には果てしない夢が広がっていた。  まもなくドヤの住人たちと仲良くなり、汗まみれの仕事が終わったあと、酒を酌み交わしながら楽しく語り合った。  外から見るドヤの世界は社会のはみ出し者の吹き溜まりそのも...

2000年02月:循環し続ける「感情」と「勘定」

 釧路在住の画家・佐々木榮松さんの作品は、なぜか医師や経営者などストレスの多い職業の方々の人気を呼んでいる。多忙な一日の仕事を終え、佐々木画伯の作品に目を注いでいると、一日の疲れがすっかり癒されるのだという。  その場合の作品の多くは、湿原の落日や、沈黙する湖沼、サビタ(山紫陽花)の花など、自然の息吹を伝えてくれるもの...

2000年01月:ご破算で願いましては…

 湾岸戦争の直後にお会いした糸川英夫さんは、一九九〇年代を称して「ご破算で願いましては…の一〇年になるだろう」と予告した。  「ご破算」とは、それまで続いていた一連の複雑な計算が終了して、再び新しい計算を始めるために、ソロバンの珠をいっせいにゼロに戻すという意味である。  いまここに迎えた西暦二〇〇〇年…。ゼロがずらり...

1999年12月:この歴史的ターニングポイントに…

 いよいよ二〇〇〇年へのカウントダウンが始まった。千年に一度しか体験できない歴史的な結節点…、その瞬間を地上で生きて迎えられる幸せを、ともに心から噛みしめたいものである。  とは言いながらも、今年の大晦日から二〇〇〇年の元旦にかけて、世の中の現実はとても「幸せを噛みしめる」どころではないようだ。  報道によれば七割以上...

1999年10月:なぜ情報社会は到来したのか

 インターネットで世界中が結ばれ、情報通信網がまるで「地球脳」の神経系のように国際経済や政治を支え動かしている。すっかり情報ネット化された二〇世紀末の社会……。こうした時代の到来を早くも昭和三八年に予測したのが、実に梅棹忠夫さんの「情報産業論」だった。  昭和三八年といえば、日本の工業がまさにめざましい発展を遂げていた...

1999年11月:都合の良いもの・悪いもの

 「起こるはずがない」ことが、いまどんどん起こっている。  ……などと書くと、「臨界事故」の話題と思うにちがいないが、決してそれに限ったことではない。今回書きたいテーマは、「良かれ」と思ってやったことが、思いがけない問題を多々引き起こしているということについてである。  人間という動物は常に善悪を考えて行動する。善を行...

1999年09月:だれもがきっとなにかができる

 「少年犯罪凶悪化続く」の見出しのもと、今年一~六月の半年間に、殺人や強盗などの凶悪犯で逮捕・補導された少年が相変わらず増え続けているという新聞報道があった。こうしたニュースに出会うとどうしても気分が滅入る。犯罪の増加もさながら、そこに少年たちの鬱屈した精神環境が見えてきてしまうからである。  話は飛んで、あの阪神大震...

1999年08月:「サッチー騒動」に見る世紀末の「空気」の研究

 世紀末の日本に「サッチー・ミッチー騒動」が沸き立っている。  人の噂も四九日どころか、すでに四カ月目に突入した。ヒマと言えばヒマだし、平和と言えば実に平和な話である。それにしてもこの騒動はなかなか面白い。  最初はのぞき趣味程度のスタートのようだったが、最近ではなんやら、哲学めいたコメントも飛び出すようになってきた。...