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読み物(社会関係) | 稲田芳弘コラム - Part 2

2000年10月:心も体も、財布の中身に左右される?

 たしか、こんなユダヤジョークがあった。  「からだ(体調)は心(気持ち)の影響を受け、  心は、財布の中身に左右される」  かつてはこのジョークを微笑みながら語ったものだが、いまでは語ればほおがひきつり、切実さが身にしみる。そう、日本人の多くはいま、財布(経済)のその中身(不況&不安感)によって、こころがすっかり萎え...

2000年09月:What is IT? そして、Who am I?

 沖縄サミットを契機に、いよいよ「IT革命」が世の中の空気を熱し始めた。新聞からもテレビからも、「IT」なる言葉が大手を振るって飛びだしてくる。ここまでITが流行語になってしまうと、ついWhatis IT? (それって、いったいなぁに?)、あるいは「ITよ、いったい、てめいは?(何者だ!)と、皮肉っぽく茶化したくもなっ...

2000年08月:季節が巡るのは当たり前?

 久々にサハラ砂漠の遊牧民(トゥワレグ族)の娘、マリアンさんとゆっくりお話することができた。マリアンさんは、海外青年協力隊員だった日本の青年と結婚して、以来一六年間日本に住んでおられる方である。  「初めて日本に来たとき、何もかも砂漠の暮らしとは違っていて、ただとまどうばかりでした。またどこに行っても緑が豊かなことに深...

2000年07月:有珠山噴火から三カ月が経ち……

 有珠山が噴火してすでに三カ月になる。噴火は小康状態を保ち、避難所から帰宅できる人も増えてきた。しかし被災者たちの不安は相変わらずくすぶっており、先行きも全く見えない。その図はあたかも、不況とリストラ、失業の渦に呑み込まれて出口の見えない、日本社会の象徴的な圧縮図のようでもある。  それにしても自然の威力はすさまじい。...

2000年06月:風は、ノマド(遊牧民)の時代へ

 今春の高校卒業生の就職率が過去最低と発表された。どうやら理由は不況とリストラの影響のようだが、その一方で、組織に所属することを嫌う若者たちが増えてきているともいう。いわゆるフリーター志願者が急増しているらしい。そして「定職」から離れた大人たちもまた増えつつある。いわゆる失業者の急増である。  かつて「無職・住所不定」...

2000年05月:多数決とは別の、ウコチャランケ

 小渕首相が病に倒れ、森政権が誕生した。連立政権を考えた場合、どうやらこれがベストの選択肢だったらしい。日本の社会が議会制民主主義、つまり多数決の原理で機能している限り、過半数を取ろうとするのは当然の政治力学だからだ。だとしたら、森政権にベクトルが動いたとしても不思議ではない。  珍しく政治的な問題から書き始めてしまっ...

2000年04月:恐るべしちっちゃな存在

 「俗に言えば、運が悪かったというべきか…」  新潟県警の不祥事問題で、正直すぎる小渕首相は、ふと本音を洩らした。この失言に対して野党各党からは激しい野次が飛びかったが、首相の言いたかったことは決して間違ってはいなかった。  そう、新潟県警の本部長は、誠に運が悪かったのだ。もしもあの日に行方不明だった少女が見つかってい...

2000年03月:腐敗物をも美酒に変えてしまうマジック

 学生時代、数ヶ月間川崎のドヤに泊まって、製鉄所で肉体労働をしたことがある。高度経済成長期のド真ん中、その頃の日本の未来には果てしない夢が広がっていた。  まもなくドヤの住人たちと仲良くなり、汗まみれの仕事が終わったあと、酒を酌み交わしながら楽しく語り合った。  外から見るドヤの世界は社会のはみ出し者の吹き溜まりそのも...

2000年02月:循環し続ける「感情」と「勘定」

 釧路在住の画家・佐々木榮松さんの作品は、なぜか医師や経営者などストレスの多い職業の方々の人気を呼んでいる。多忙な一日の仕事を終え、佐々木画伯の作品に目を注いでいると、一日の疲れがすっかり癒されるのだという。  その場合の作品の多くは、湿原の落日や、沈黙する湖沼、サビタ(山紫陽花)の花など、自然の息吹を伝えてくれるもの...

2000年01月:ご破算で願いましては…

 湾岸戦争の直後にお会いした糸川英夫さんは、一九九〇年代を称して「ご破算で願いましては…の一〇年になるだろう」と予告した。  「ご破算」とは、それまで続いていた一連の複雑な計算が終了して、再び新しい計算を始めるために、ソロバンの珠をいっせいにゼロに戻すという意味である。  いまここに迎えた西暦二〇〇〇年…。ゼロがずらり...