「空中露天風呂」その2

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4月6日に、カビが生えて風化しかけていたホームページを刷新したところ、さっそく「おしゃべり広場」も生き生きと動きだしました。 どうやら「空中露天風呂」がそれなりに受けているようです。 そこでついサービス精神?が刺激され、さきほど早春の空中露天風呂を訪れて何枚か写真を撮ってきました。

すぐ裏にある「宮丘公園」はまだ雪でいっぱいです。 でも、今日は素晴らしい天気…、風はごうごうと木立に鳴ってはいるものの、気配はもうすっかり春そのものです。

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雪を踏みしめて公園を歩いて行くと、あちこちに野ウサギやキタキツネなどの足跡が目につきます。 この辺りはけっこう野生動物天国で、数年前には「この公園でクマを見かけた」という中学生の報告があって、大騒ぎになったこともありました。 そのときは、警察やら猟友会、マスコミ関係者などがたくさん集まり、上空にはヘリコプターやらセスナ機などが飛び交いました。 またわが家にはマスコミからの取材もやってきました。 というのも、わが家は公園の入口にいちばん近いところに建っているからです。

おっと、話がそれました。そうそう空中露天風呂の話でした<笑>。
公園から出てゆっくりゆっくり山(果樹園)を登っていくと、大きな青空が頭の上に広がります。 木々はすべてシンプルな丸裸ですが、木の芽はしっかり出番に備えています。

山のてっぺんに立つと、そこは、白と木々の黒い線と、空の青の世界…。このようなシンプルさもぼくは大好きです。
空中露天風呂のあるところまで、いくつもの足跡が続いていました。きっとオーナーの阿部さんが通った跡でしょう。 冬場には風呂には入れませんが、たぶん時々散歩しながら見に来たにちがいありません。 野次馬のぼくだって、冬も時々はここにやってきて深呼吸しているのですから…。

山のてっぺんの池はまだ深い雪に閉ざされ、小屋もしっかり施錠されていました(それとも入れたのかな?)。 目的の場所は木の上の小屋の露天風呂ですから、小屋のことなど構わずにさっそく階段を登りました。 ものすごい風です。木々がうなっています。しかし気分はすでに露天風呂の中?です。

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厳しい北海道の冬を越えてきたこともあって、木の上の小屋の中はけっこう荒れていました。 風呂の中には、湯ならぬ雪と枯れ枝…。雪が風呂を楽しんでいる光景というのもおつなものです<笑>。

小屋のいちばんてっぺんに立って写真を撮りました。 ここに立つと360度全方向がきれいに見渡せます。 目の前には札幌の中心街、そこから西の方向には、日本海(大浜)の藍色が見えています。

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空気が稟と晴れ上がった日なら、日本海の深い藍はいうまでもなく、その彼方東方に聳える山々や、野幌原生林に建つ開拓記念塔などもはっきりと見えます。 しかし「春うらら」といった空気に満ち満ちた今日の昼は、遠くがぼんやりとかすんでいました。 すべてがはっきりと鮮明に見えるのも確かに気分をすっきりさせてくれますが、今日のようなぼんやり光景というのも、これまたじつにいいものです。 それはあたかも愛情にも似て、とても温かく、何となくいい感じで、そして物事をあえてあいまい(寛容?)にします。

小屋から降り、その下に作られている「空中テーブル」に足を運びました。そしてここでおにぎりを出し、今日の昼飯を楽しみました。 時間があれば、火を焚いて珈琲を楽しむところですが、今日はそこまでゆとりがありません。 しかし、ここまでのしばしの時間は、久しぶりに大自然の大きくて深い呼吸を、ぼく自身の肺腑で実感するひとときとなりました。

ぼくがこんな時間を過ごしている間も、たぶん多くの人々は仕事に追われているにちがいありません。 そう思うと、「悪いなぁ…」といった気持ちと同時に、「ざまぁみろ」といった悪魔的な気分も沸き上がってきます<笑>。 いえ、こんなことは書くべきではありませんでした。たとえそう思ったとしても、黙って知らんぷりをしているのが「大人の礼儀」というものです<笑>。

すみません。書き出したらきりがありません。 ここら辺で今回のレポートは止めますが、「悪いなぁ…」も「ざまぁみろ」も、じつは自分自身に対して語りかけた言葉でもあったのです。 締切の仕事を気にしながらマックの前に座っている自分の姿を思うと、ついそう言ってみたくなったのだと思います。
というわけで、気分がすっきりとしたいま、これから仕事にかかります。それでは、また!(稲田芳弘)